「黒己め……思ったよりしぶとかったな」

蒼琉は、飛び降りていた。二十メートルほどの高さだ、すぐに着地。
F4たちは横たわっている。床の真ん中には大きな穴が空いていた。
黒己は必死になってチェーンを引きちぎり反撃したらしい。
一匹を殺し、その血で溶けた床から脱出したのだ。どこに行ったかのか、もう影も形も無い。
しかし、F4たちが酸性の血を大量に流したのだ。無傷でいるわけがないだろう。

「往生際の悪い奴だ。大人しく胃袋に入ればよかったのに」

蒼琉の影を、大きな影が飲み込んだ。
背後に気配。どうやら、死んだふりをしていた奴が一匹だけいたようだ。
そいつは口を大きく開くと、蒼琉を一噛みにしようと襲い掛かってきた。
蒼琉は振り向くこともせずに、スッと左手を上げた。
最初は、まず、その腕から食いちぎってやると言わんばかりに、F4が腕に喰いついた。
だが、口を閉じる前に、F4の表情が歪む。苦痛で。
蒼琉が、そのグロテスクな舌を掴み、力任せに引き抜いたのだ。
ブッツンと、嫌な音がF4の喉の奥から聞えた。


「おまえ馬鹿だな」

蒼琉は笑いながら、引き抜いた舌を投げた。
F4は苦悶の表情でのた打ち回っている。舌を抜かれたために、悲鳴すら上げられない。
「しばらく踊ってろ」
蒼琉は、その憐れなF4を踏み台にすると、高く飛び上がった。
そして、涼しい顔で、その場をさっさと後にした。

(あの馬鹿がどこに行ったのかは知らないが、いずれ美恵の前に姿を現せるだろう)

長年の付き合いゆえに、黒己の行動パターンは読めていた。

(F4にやられて無傷なわけがない。今度、あいつが美恵の前に姿を現す時は)


美恵を殺す為だ――。


(注意したほうがいいだろうな)

蒼琉は楽しそうに笑っていた。




Solitary Island―138―




「最初に死にたい奴、前に出ろ」
紅夜の挑発に、やられっぱなしの勇二が切れた。
「ふざけるな!!てめえなんか、オレが一撃でのしてやる!!」
勇二は、立ち上がると、俊彦の制止も無視して飛び掛った。
さっきのはまぐれだ。油断していたからだ。

(今度は違う。こんなガキなんかにはやられはしない!!
こんなガキに舐められてたまるか!!オレは最強だ、特撰兵士最強の男なんだ!!)

実際は紅夜は17歳で、勇二にガキ呼ばわりされる年齢ではなかった。
しかし、紅夜は勇二よりも体格は小さかったし、年下に見えたのかもしれない。
(こんな赤毛のガキに舐めらっぱなしで終わってたまるか!!)
その時、勇二は、赤毛というキーワードに何か引っ掛かった。
心の奥で忘れかけている何かがある。重要な事だが、どうしても思い出せない、そんな感じだった。
一瞬、考え込んだが、それは一瞬に過ぎなかった。
勇二にとって己のプライドを傷つけた、この生意気な若造を叩きのめす事が最優先。
それ以外のことなど、全てが終わった後に考えればいいことなのだ。
今はただ、このガキを徹底的に痛めつけ、あの世で後悔させてやる。
それだけだった。


勇二の、その思いは、渾身の力となり、蹴りに鋭さをましていた。
紅夜は、すぐに、その蹴りに反応していた。二人の脚が、交差するように激突する。
勇二の顔が歪む。紅夜の顔は変わってない。
修羅のように、赤い色付きの目。微塵も表情は変わっていなかったのだ。
勇二の蹴りが押し返されかけた。
誰が見ても明らかだった。紅夜のほうがパワーが上だ。
メキッと、鈍い音が聞えそうな気がした。だが、その瞬間、今度は直人が蹴りを繰り出した。
交差している二人の脚に、直人の脚が加わる。
紅夜の眉が僅かに動き、そして三人はぱっとはなれた。
直人が入ったことで、一方的に押されていた勇二は骨折を免れた。
しかし勇二は面白くない。怪我よりも、助けられたという事実が、はるかに勇二のプライドを刺激したのだ。




「直人!!余計なことするな!!」
勇二は直人を非難したが、直人は勇二は無視して、じっと紅夜を睨んでいる。

(……こいつ、オレが加わってやっと均衡が保てるほどの力だ。
とてもじゃないが、勇二の勝てる相手じゃない。
ならば、オレならどうだ?オレは、勇二と違って、こいつを過小評価しない。
真正面から、ただ肉弾戦を繰り広げるようなバカな行為もしない。
自分に有利な戦法で、戦いに勝つことだけを考えろという親父の教えが今になって身にしみる。
親父の教えは正しい。この中で、こいつに勝てる可能性があるのはオレだけだ)


少し離れた場所で瞳と純平が震えている。
(あいつらも何とかしなくてはな。民間人を巻き込むわけにはいかない)
直人は意識をベルトの後ろに集中させた。
学校生活に銃を持ち込むわけにはいかないが、特撰兵士の連中で、そんな常識を守っている奴なんていない。
直人も、その一人だった。
手の中に納まるくらい小さな銃・デリンジャーを隠し持っていたのだ。
いざというときの為で、はっきりいって銃撃戦に向いている銃じゃない。
暗殺用のものだが、それでも相手が丸腰ならば、十分役に立つ。
後は、隙を見て、頭か心臓を撃ち抜くだけだ。
丸腰の相手に銃を使うのは、プライドの高い直人には嫌な行為だった。
だが、プライドなんかを気にしている余裕もない。
勝利が全てだ。その前に、やらなければならないことがあった。




「おまえたちは、さっさと逃げろ!巻き添えくって死にたくなかったらな!!」

死というキーワードに瞳と純平は、大袈裟に反応していた。
瞳は、「いやー!クラマみたいな美形に会うまでは死にたくなーい!」と叫んでいる。
さらに直人は振り返らずに俊彦に言った。
「おまえも逃げろ。勇二を連れてさっさと行け。あいつらも誘導するんだ」
「直人!」
「さっさと行け!戦闘能力のない民間人や、怪我人は邪魔なだけだ!!」
その瞬間、勇二が切れた。
「なんだと、てめえ!!オレを、あの民間人と同じだって言うのか!!」
「今はそうだ。戦えない奴は必要ない。役立たずは戦場から去れ」
「ふ、ふざけるな!!」
勇二は、紅夜を睨みつけた。


「オレが役立たずか……確かめてから言うんだな!!」
勇二は一直線に紅夜に向かっていった。
「やめろ勇二!!」
舐めやがって!舐めやがって!ぶっ殺してやる!!
そのまま、つっこんでいたら、結果は火を見るよりあきらかだっただろう。
だが、幸か不幸か奇跡が起きた。
「勇二、下がれ!!右45度だ!!」
直人の声に勇二は思わず、右上を見上げた。天上の一部が開いて、銃口のようなものが見えた。
「な、なんだ!?」
「下がるんだ!!」
直人が、勇二の後ろ襟首を掴み、引っ張った。
次の瞬間、銃口が紅夜目掛けて発砲した!














「……あなた、私を馬鹿にしたわね」
誘惑に乗ったふりをして、あっさり攻撃してきた晶。
気に入っていただけに、翠琴の怒りは大きかった。可愛さ余って憎さ百倍というやつだろう。
「馬鹿にしたのは、おまえのほうだろ?」
「なんですって?」
「オレを、その程度の手練手管で手に入る男だと侮って近づいたんだからな」
翠琴はさらにムッとした。
翠琴は自他共に認める美女だった。まるで大輪の赤い薔薇のように、華やかで、そして色香の強い、妖艶な美しさだ。
そんな翠琴が微笑んで落ちない男なんて、まずいない。
ベッドテクニックにだって自信はある。黒己も紫緒も、ベッドの中では、いつも自分に夢中になっていた。
この男だって、そうなるはずなのに。


「私を拒否するなんて、おまえほど悪趣味な男はいないわ」
翠琴の中で封印していた嫌な記憶が蘇ってきていた。
「おまえを拒否しない男にしか会わなかったのか?
よほど、おまえは、レベルの低い男しか見てこなかったようだな」
「おまえ!」
「オレは、おまえが相手にしてきた、低レベルな男じゃない。
おまえは、おまえのレベルに惹かれるつまらない男で満足していれば良かったんだ」


『おまえのレベルに釣り合うつまらない男は大勢いるだろう。
男が欲しければ、そいつらと心行くまでやればいい。だからオレを欲しがるな。オレは、おまえには興味は無い』



(……どうして!)
あの時に、忌まわしい言葉が浮ぶ。
「おまえたちのボスのブルーは美形なんだろう?男が欲しければ、そいつに慰めてもらえばいいんだ」
「……ふ」
翠琴が俯いた。どうも様子がおかしい。
(何だ?こいつはブルーの女じゃないのか?)
年頃の男女が密閉した空間で何年も一緒にいたのだ。ブルーこと蒼琉とは、そういう関係にあってもおかしくない。
そう思った晶だったが、それは翠琴にとっては言ってはならない言葉だった。

「ふざけるな!!」

翠琴は、膝まであるスリット付きの、やや露出度が高い黒いワンピースを着ていた。
体型に密着するようにデザインされていた、その服は翠琴の美しさを最も強調できるものだったから。
そのスカートを翠琴は捲り上げた。腿にベルトが巻かれており、ナイフが数本仕込まれている。
そのナイフが、晶に向かって飛んできた。

「蒼琉の名前を!……彼の名前を口にするなんて!!よくも……よくも、よくも……!!」

ヒステリックな女だと思いながらも、晶は、そのナイフを避けようとした。
その飛んでくるナイフ。スピードはあるが、晶なら簡単に避けられた。
だが、二本のはずのナイフが空中で分裂したように、四本に増えた。
(何だと!?)
晶は、一瞬の判断で、右に避けるのではなく、空中に飛んでいた。
「殺してやるわ!」
翠琴がナイフを振りかざし飛び掛ってくる。晶はナイフを手にした左腕を掴んだ。




「甘いわね」
翠琴がニヤッと笑った。
「!」
ナイフの刃が一瞬で伸びた。晶は、咄嗟に顔をそらした。
危機一髪。ナイフは晶の髪の毛を数本切り落としただけだ。
「惜しかったわ。かすっただけで致命傷になったのに」
ふふっと翠琴は笑っていたが、目はまだ怒り狂っている。

(仕掛けナイフか、手品みたいな小道具使いやがって)

さらに、翠琴が握っているナイフの柄の底を小指で押すのが見えた。
晶は、咄嗟に翠琴を突き放す。ナイフからは液体が噴射されていた。
「あら、惜しいわ。目にかかれば失明だったのに」
でも……と、翠琴は両手を背中に回した。翠琴の手が妖しく上から下に下がっている。
やがて、晶の前で、翠琴の体を覆っていた黒いワンピースがぽとんと床に落ちた。


「何のマネだ?」
全く理解出来ない。まさか、また色仕掛けでくるつもりか?
(薫や季秋兄弟じゃあるまいし、オレにそんな手が通用すると思っているのか?)
翠琴は、さらにヒールを脱ぎ、遠くにほかった。
年齢の割には豊過ぎる胸と引き締まった腰。スラッとした脚線美、何より透き通るような白い肌。
女好きでなくても、思わず魅入ってしまうような魅力的な半裸体。
黒のブラジャーとビキニタイプのパンツですら、邪魔者にしか思えない。

(まさか、オレが女の裸に動揺するタイプだと侮っているのか?)

確かに、男なら、多少なりとも本能を刺激されるだろう。
だが、晶は、その本能を超えた理性を持っている。
勝利に対する執念も。そして女でも容赦しない冷酷さも。




「あなた、女の裸見たことある?」
酔った鬼龍院に無理やりAV見せられたことはあるが(当時、晶は御年12歳)それがどうした?
「あの世への思い出に見せてあげるわ」
再び、翠琴の手が背中にまわった。
ほどなく、ブラジャーが床に落ち、ついに翠琴の体を覆っているのは一枚のみとなった。
普通なら、真っ赤になるか、思わず目を背けるかだが晶は微動だにしない。
「何のつもりだ?」
冷たく、そう言い放っただけだ。翠琴の胸を見ても、晶は心をときめかす事はなかった。
そんなことより、生きるか死ぬかと言う場面で、こんなことをする翠琴の真意がわからず不気味にさえ思えた。
「変な男ね。黒己なら、すぐに押したおして、この胸にしゃぶりついてくるのに」
そう言いながら、ついに翠琴は、最後の一枚に手をかけた。


「いい加減にしろ」
そこにきて、ついに晶が我慢の限界に来た。ふざけたストリップショーに付き合うのは、まっぴらごめんだった。
「おまえが今まで戦ってきた男は、まさか、こんな幼稚な戦法で負けたのか?」
翠琴は答えなかった。
「オレに通じると思っているのなら、随分と舐められたものだ」
翠琴は、今は全裸に近い状態。それゆえわかるが、武器はナイフだけで他には隠し持ってない。
そのナイフも、自分の美しい肢体には邪魔だと思ったのだろう。ベルトごとはずしている。
「武器を拾え。オレに素手で勝てると思っているのか?」
「まさか、そんな失礼な事」
翠琴は笑っているが、目は笑ってなかった。




(……蒼琉の……よりにもよって蒼琉の名前を出すなんて……殺してやる。一番残酷な方法で!)

翠琴にとって禁句だった言葉を晶は口にしていたのだ。
翠琴の色気に全くなびかなかった男がいた。その男のそばに何年もいた。
その男は、科学省にやってきた大学院を卒業したばかりの美人の博士を何人も相手にしていた。
(ただ一度限りの相手で、次に会った時は、もう見向きもしなかったが)
学歴も美貌も超一流の女を相手にしていた男。
でも、自分だって、美貌にかけては自信があった。
沙黄のような、バカな女と違って、自分は中身もともなっているいう自信も。
だが、簡単にふられた。まるで相手にされなかった。何年も何度も言い寄ったが、ダメだった。
挙句の果てに、「命と引換えにしてまでオレに色目を使いたいのか?」といわれる始末。
さすがに命を失いたくは無い。だから、それ以来言い寄ってない。


代わりに黒己や紫緒を相手にしてきた。それでも、あいつらじゃ物足りなかった。
自分に釣り合わないという傲慢な考えが翠琴にはあったのだ。
そのプライドを晶は刺激してしまった。自分をふった上に、ふれてはならないものに触れたのだ。

(殺してやるわ。でも、そうね……最後にキスくらいはしてあげようかしら)

翠琴は笑みを浮かべた。その笑みの先には、先ほど放り投げたヒールがあった。
晶の背後にあるヒール。見た目は全く普通の靴だ。
誰も疑わないだろう。もちろん晶も。
翠琴の笑みを不審に思った晶は、横目でチラッと翠琴の視線の先をみた。
そして視線の先にあったヒールを見て思った。
「しまった」――と。
その瞬間、ヒールが爆発していた。














「……蒼琉……よくも……」
黒己は、ふらふらと廊下を歩いていた。肩を押さえながら。
襲われた瞬間、黒己は全力でチェーンを引きちぎった。
そして、襲ってきたF4の喉にナイフをつきたてながら、喉から腹まで一気に割いた。
ナイフは解けながらも、F4に致命傷を負わせた。科学省特製のナイフは、F4の皮膚さえも切り裂くのだ。
だが、当然のことながら、酸性の血が一気に噴出。
F4の血で床に穴が開き、脱出ルートを得られたとはいえ、黒己自身も無傷ではなかった。
その後、さらに襲い掛かってきたF4たちには、ベルトに仕掛けていた小型爆弾を口の中に投げ入れ爆破。
そのまま、空いた穴に飛び込み、あのエリアから逃げたのだ。


「……美恵……美恵」

顔が熱い……熱い熱い熱い!焼けるようだ!!

黒己は、ようやく洗面所が設置されている部屋にたどり着いた。
部屋に駆け込み、蛇口を最大までひねる。勢いよく飛び出す水を掬い何度も顔を洗った。

ひりひりする。何度洗っても……畜生、痛い痛い!
皮膚が……血が……出血しているのか?

黒己は手を伸ばし洗面所の電気をつけた。そして顔を上げた瞬間、黒己は固まった。
「……これは」
黒己は鏡に映し出されたモノを見て愕然とした。
黒己は性格はともかく、美しい青年であることは間違いなかった。
科学省の遺伝担当者しか知らないが、黒己の父は中東の人間で、母はインド系。
さらにはスペインの血も混ざっているらしい。
そのせいか、エキゾチックで神秘的で、男とは思えない色気のある風貌だった。
その自慢の顔。その一部が……焼け爛れていた。


「うわぁぁぁー!!」


黒己は顔の右半面を押さえた。右目の上の部分、焼けるように熱かった部分だ。
そこが焼けどのように皮膚がただれていた。酸性の血をかぶったのだ。
命と引換えに黒己は自慢の美貌を失っていた。
無事な部分は前と少しも変わらず美しい。
だからこそ、醜くなった部分は、より強調されて黒己の視界に映っていた。

(こ、これが……これがオレの顔?嘘だ、嘘だ!!)

蒼琉には及ばないが、それでも十分すぎるほど美しい顔だったのに。
この顔を一目見ただけで擦り寄ってくる女もいたのに。
でも、今の顔を見たら、おそらく大抵の女は逃げるだろう。

美恵も……美恵もなのか!?)

黒己の脳裏に浮んだのは、自分を見て顔をゆがめる美恵だった。

こんな顔では、もう美恵に愛してもらえない!
逃げられてしまう!こんな顔では!!

どれだけ愛の言葉を囁いても、もう美恵は顔を背けて自分には恐怖と嫌悪しか抱かなくなってしまうだろう。
「蒼琉!奴のせいだ……奴の……奴の!!」


殺してやりたい!!あの美しい顔を自分と同じように台無しにしてやりたい!!


それほどの憎悪が黒己の心を埋め尽くした。同時に、あるおぞましいことが浮んだ。
美恵はどうなる?もう自分を愛してくれなくなるであろう美恵?
答えは一つしかなかった。あの憎い蒼琉が、遠くない将来美恵を手にする。


オレの女になるはずだったのに!全てがオレのものになるはずだったのに!!
あの美しい体もオレに抱かれるはずだったのに!!


だが、もう美恵は手に入らない。こんな顔では愛し合うどころか、自分を見ただけで怯えてしまう。
そして、その美恵を、いずれ抱くのは憎い蒼琉だ。
あいつが、あの男が、オレのものになるはずだった女を手に入れる。
そのおぞましい想像が黒己の中で狂気に変わった。


「……渡さない」

渡さない、渡さない!!蒼琉、貴様だけには渡さない!!
二度と、オレのものにならなくなっても、貴様にだけは渡さない!!
貴様に……貴様の女のなるくらいなら!貴様が美恵の全てを手に入れるくらいなら!!


「……そんなことはさせない」

それくらいなら、そんなことになるくらいなら!!


美恵、おまえはオレの手で殺す……永遠にオレのものにするために」




【残り24人】
【敵残り6人】



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