宅急便「さーん、お届け物でーす♪♪」
「はーい!!」
君はペット
―数分前―
「狽ォゃっ///カズオ!!めくっちゃだめ!!」
いつものようにのスカートをめくる悪戯っ子カズオ。
金色のふわふわの髪が特徴の、美形な・・・耳が生えてしっぽが生えている、毛並みのいい犬である。
1人暮らしで寂しい生活を送っていたの、1匹目のペット。
ちょっと独占欲が強く危ない性格だが、甘えんぼで可愛いところもある。
「///もう!!エッチ!!そこで大人しくしてなさい!!」
カズオ「・・・(ぷー)」
にちょっぴりしかられ、口をぷぅっと膨らますカズオ。
仕方なく大人しくの後ろにしゃがみこんだまではいいが・・・
台所の戸棚からお皿を取り出すため一生懸命なは、大人しくなったカズオにすっかり油断していた。
「えーっと、ミルク用のお皿・・・」
高いところ、しかも奥の方にあるミルク皿を取り出すため、は上半身を前に乗り出し、腰をぐぐっと曲げた。
カズオ「・・・あとちょっと・・・」
そんなを下から覗き込むように見ているカズオ。果たして何を見ているのか。
「取れた!!」
カズオ「・・・見えた」
言葉は違うものの、発したタイミングが重なった2人。
不振に思ったが皿を取りながら言った。
「? カズオ、見えたって何が?・・・」
が振り返ると、カズオは幸せそうな顔をして前かがみになっていた・・・。
そう、なんとカズオはのスカートの中を一生懸命覗こうとしていたのだ。
と目が合ったカズオがハッとして、一生懸命見てないフリをする。
だが、そんな芝居はにはバレバレである。
「・・・カズオ・・・(怒)」
カズオ「何?俺・・・見てない・・・のパンツ・・・水玉・・・ううん、見てないよ・・・」
「///バカ!!折角大人しくしてたから誉めてあげようと思ったのに!!もうカズオなんか知らないからねっ!!」
はスカートを抑えて、怒って自分の部屋に入ろうとした。
どうやら本気で怒ったに対し、カズオは目を潤ませ、に飛びついた。
「狽ォゃっ!!」
カズオ「・・・ごめんね・・・」
カズオの小さい呼吸音がの背中に響いた。
「・・・もうしない?」
カズオ「うん・・・」
「じゃあ、いい子にしててね?」
カズオ「わかった・・・」
はカズオのこの目と行動に弱い。毎回毎回何だかんだ言っても、結局これで許してしまう。
に許しを得た途端、カズオはニヤリと笑ったが、そのときだった。
ドアのチャイムが鳴っって、あれが来たのが。
これが数分前の出来事。
判子を押し、荷物が入ったダンボールを受け取る。
「♪ ♪ ♪」
いつになくご機嫌なを、カズオが不思議そうに見ている。
カズオ「、どうしたの?」
「あっカズオ、こないだ言ったでしょ?うちに新しい家族が増えるって。」
カズオ「家族?」
「言ったじゃない、知り合いの子猫が生まれてうちで引き取るって。ほら、この子v」
は先ほど届いた段ボール箱をあけ、中に入っているものを取り出す。
カズオはてっきりそれはお菓子かなんかだと思っていたが、それは違った。
「はい、仲良くしてね☆」
カズオ「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
の手には、小さい小さい黒猫の赤ちゃん。
この猫も、カズオに負けず劣らずのかなりの美形である。
ただ、カズオと違って黒髪のオールバック、クールビューティーと言った感じだが。
カズオはその猫を見るや否や、明らかに怪訝そうな態度をとった。
カズオ「・・・何、ソイツ・・・」
「何って、家族になるの、嬉しいでしょ?」
もちろん嬉しいわけがない。
ペットが増えたら、に甘えられなくなってしまう。
に甘えていいのは自分だけだと思っているカズオは、明らかに嫌そうな態度だった。
じろりと、黒猫の和雄(しかも同じ名前)を睨み付ける。
ところが相手もそれは同じらしい。
どうやら和雄も人目でが気に入ってしまい、甘えたいようだ。
カズオの睨みにビクともせず、逆に攻撃を仕掛けてまで来た。
和雄「」
「ん?どーしたの?」
すると和雄は突然、の唇をぺろりと舐めた。
カズオ「煤I!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
あごが外れそうなほど大口を開けて驚いているカズオだが、は特に動じなかった。
「やん、くすぐったいよ和雄」
和雄「・・・へへっ」
に抱かれたまま、和雄は見せ付けるかのようにの胸に顔をうずめた。
カズオ(煤I!そ、そこは俺のポジション・・・!!)
カズオは負けじと和雄をふっとばし、の胸元に飛び込んだ。
和雄「煤I!」
カズオによって弾き飛ばされた和雄の体は思いっきり床に叩きつけられた。
「買Lャーッ!!!!!」
カズオ「vv」
そんなことはおかまいなしに気持ちよさそうにの胸に頬ずりするカズオ。
は思わずカズオの頭を(軽くではあったが)叩いてしまった。
「バカッ!!カズオ、なんてことするの?」
カズオは、にはじめて叩かれ、唖然としている。
今までどんなことがあっても優しかったが、本気で怒っている。
カズオ「・・・痛い」
「和雄のほうが、もっともっと痛かったと思うよ?どうしてそんな意地悪するの?」
カズオ「だって・・・あいつが・・・」
一生懸命言い訳をするカズオだが、もちろんはそんなの聞きやしない。
は悲しそうに和雄を拾い上げ、自室に向かった。
「和雄、大丈夫?今薬塗ってあげるからね・・・」
そして、2人はいなくなってしまった。
カズオ(違う、・・・)
カズオは、広いリビングで生まれて初めて1人で泣いた・・・。
俺、1人で泣くのはじめてだ
いつも、がいてくれたから。
辛いときも。苦しいときも。悲しいときも。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―数時間後―
夕食の支度をしに、と和雄がリビングに戻ってきた。
カズオはそんな2人を見て、ビクッと体を反応させ、目をあわせまいとずっと下を向いていた。
カズオ(が俺のこと、いらないって言ったらどうしよう。)
「カズオ」
カズオ「!?」
「ごめんね・・・」
カズオ「!?!?!?!?!?!?」
いきなり謝られ、カズオは目を丸くした。
「和雄がね、悪いのは自分だって。カズオは悪くないって言ってたの。」
カズオ「えっ?」
「カズオに意地悪させたのは自分だって。」
カズオ「・・・」
カズオは、の後ろにいる和雄をチロリと見た。
和雄「悪かった これからは、正々堂々勝負しよう」
無表情な表情ではわかりにくいが、しっかりと反省している気持ちがカズオには伝わった。
カズオ「俺も、ごめん・・・」
どうやら和雄も、がカズオにとられてしまうと思ったらしく、わざと意地悪をしたらしい。
お互いに恋敵で、意地悪をし合ってたのだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「仲直りした?」
2人「うん」
「じゃ、これからは仲良くね?」
2人「はい」
こうして、ペット騒動は一件落着したかのように見えた。だが・・・
―数日後―
「///キャーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」
ソファに2匹に押さえつけられるの姿がありました・・・。
「ちょっと!!カズオ何するのよっ!!」
カズオ「の胸、柔らかくて気持ちいい・・・vv」
「///気持ちいいじゃなーい!!重い!!降りなさーい!!」
思わず足をバタバタさせ、無防備になる下半身。
和雄(じーーーーーーっ・・・)
「///和雄もどこ見てるのよーーー!!!」
何はともあれ、可愛いペットたちから愛のあるセクハラ(笑)をうけているなのでした☆
めでたしめでたし♪♪
終わり
『砂糖菓子』のまりもさまに桐山記念日のフリー夢を頂いてきました。
こんなペットほしいです。かなり本気で(笑)
和雄の黒猫、カズオの犬。ああ、セクハラ受けてもかまわないです。
二人……もとい2匹にだったら、むしろ本望(危険発言か?)
どちらもペット化されているとはいえカワイイです。
まりもさま、素敵な作品ありがとうございました。